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 ■ 2007/7/22発行 第53号
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■第53回 退職後に腹が立つこと

辞めた社員が、会社を相手に
「在職中の残業手当を支給してくれ」
と訴訟を起こすことがあります。

なんでこういった訴訟の多くが「元社員」によって起こされるかというと、
単純な理由です。
在職中はとても「残業代をちゃんと下さい」と言えない雰囲気の会社であっても、
辞めてしまえば関係ないからです。

残業代の時効は2年ですので、辞めてからアレコレやっても十分間に合います。

これに対し、辞めてからでは遅い権利があります。
有給の消化です。

有給休暇というのは、退職日で全て消滅します。
例え何日余っていたとしても消滅します。

そして、残業代のように退職後に訴訟をしたところで、
どうにもならない性質のものです。

辞めた時点で有給休暇自体が消滅している。
消滅したものは消化のしようがない、という理屈です。

ここをよく知っている会社は、辞める直前の社員に対してこんな要求をしてきます。
「退職日は○月○日にしてくれ」
「あ、だけど引継ぎはちゃんと行うように。社会人としての責任だ」

この組み合わせで、
「引継ぎをまともに終わらせようと思ったら、有給なんか取っている時間がない」
という状況にこっそり持っていきます。

実際、私の元に相談を寄せられる方にもこうした悩みを抱えておられる方は多いです。
ですが、そんなことで悩む必要はまったくありません。

辞める社員の有給消化を会社が阻止することはできません。
堂々と休んでしまえばいいのです。

会社にできることは、せいぜい「人の道」や「社会人の心構え」を説くことだけです。

「有給休暇分の給与を支払いたくない」
という本音を隠して色々理由をつけているだけなので、まともに聞いてはいけません。

■ 編集後記

私が以前勤めていた会社の社長は、真面目な顔をして
「どうやったら、合法的に有給を与えずに済むか考えろ」
と腹心に命令していたことがあります。

その後、本当に退職時に1日も有給を使わない社員が何名か出ました。
・・・調子よく乗せられたんでしょうが、とても本当のことは言えませんでした。

「無知な人間は、身包みを剥がされる」
つくづく実感したことを思い出します。

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