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■ 2008/4/7発行 第86号
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■第86回 会社に損害を与えたら全額弁償か?
仕事をしていて、会社に損害を与えてしまうことは誰にでも起こり得ます。
例えば、会社の備品を無くした、商品を落として壊してしまった・・・などです。
このような場合、社員が全額弁償しなければならないのでしょうか?
多くの会社では、「お前の責任なんだから弁償しろ」という話にされてしまうようです。
特にワンマン経営の会社でありがちです。
中には、有無を言わさず給料から天引きする会社もあります。
さて、このような取り扱いですが、正当なものなのでしょうか?
答えは、「正当ではない」です。
といっても、「社員は一円も損害を負担しなくてよい」という話ではありません。
損害は、会社と社員両方が負担するというのが裁判所の判断になっています。
社員が会社に損害を与えたといっても、企業の営業活動上で起きてしまったことです。
会社は、社員に営業をさせた上で利益を得ているのですから、
その過程で起こりうるリスクを全部社員にかぶせるというのは虫が良すぎます。
「余りにもうっかりの度合いがひどい場合」や、
「過去に何回も同じミスをしていて、またやった」
場合は社員の負担割合が大きくなりますが、それでも全額はやりすぎです。
裁判所の判例では、上限でも25%まで・・・というのが定着しつつあるようです。
(最高裁判所昭和51年7月8日 茨城石炭商事事件)
また、ムリヤリ天引きすることも許されていません。
「給与は全額支払いなさい」と法律で決められているので、
社会保険料や税金以外のお金は勝手に天引きはできないことになっています。
この場合は、天引きされる側の承諾が必要で、
会社が勝手に天引きすることは許されません。
■ 編集後記
社員に全責任を負わせようとする社長には、共通する特徴があります。
口ぐせが「自己責任」。
この言葉を使いたがる人に限って、「自分は一切責任を取ろうとしない」
のはなぜなんでしょうか?
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