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■ 2008/12/29発行 第111号
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■ 第111回 クビにする前に考えよう

連日、解雇、派遣切りのニュースが報じられています。

誰でも知っている大企業があっさり人減らしに乗り出したことで、
中小企業も右に習えで人切りを始めたようです。

実際、私のところに寄せられる相談で「派遣切りされた」という方が極端に目立ちます。

ただ、安易にクビにする前に、経営者の人は少し考えてみてもよいと思います。
軽い負担で、雇用を継続できる制度があるからです。

従業員を休ませた場合、企業は休業補償として給与の6割を支払わなければなりません。
しかし、これは一部国に負担してもらえます(休業助成金)。

中小企業の場合、休業補償5分の4、最高3年で200日まで支給されます。

もともと、休業補償の一部を国が負担するのは「雇用保険加入暦6ヶ月以上」
に限られていたのですが、2008年12月から特例としてこの条件が撤廃されました。

雇用保険加入期間が6ヶ月未満の人、
雇用保険未加入でも週20時間以上の労働時間で6カ月以上雇用されている非正社員らも対象になっています。

この制度を利用すれば、
クビにしなくてもごく軽い負担で雇用者を休業させておくことができます。

給与の6割(休業補償)×5分の1(休業補償の企業負担分)ですから、
給与の12%で雇用を確保しておける計算になります。

問題は、中小企業にはこのような制度を知っている経営者がほとんどいないことです。
結果として「企業が生き残るには、従業員をクビにするしかない」と暴走します。

困ったことに、「非情な決断を下した自分」に酔っている経営者の方までおられます。

簡単にクビを切る社長の下で働いておられる方は、
この制度をさりげなくアピールしておいたほうがいいかも知れません。

企業負担分が1割強にまで落ちるのであれば、
クビにすることを思いとどまる可能性も出てくるはずです。

■ 編集後記

こういうネタを書くと、「得する退職の方法」を売っている私としては不利になります(笑)

しかし、最近の解雇乱発は異常事態と呼んでもいいレベルですので、
少しでも予防策になればと思い書きました。

救済制度自体はある程度あるのですが、問題は
「会社側が全くそれを把握していない」ことです。

実際、今回紹介した制度を利用しているのは自動車産業が過半数を占めています。
利用しているのは大手企業中心、ということが分かります。

結果として、中小企業では「給与を全額払うか、クビにして0にするか」
と極端から極端に走っているのが現状ではないでしょうか。
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