解雇が有効になる条件


解雇というのは、

会社が一方的に

従業員を会社から排除することです。

 

会社からの給与に頼って

生活している従業員が

安易に解雇されてしまうと、

即座に生活に行き詰まることも

少なくありません。

 

このような事態に陥っては

大変ですので、

解雇が認められるためには、

極めて厳しい条件が課されています。

 

具体的には、次の条件を

「全て」

満たしている必要があります。

1.30日前までに

解雇予告していること。

 

あるいは、解雇予告手当を

支払っていること

 

2.法令で定める解雇禁止理由に

該当していないこと

 

3.就業規則や労働契約、

労働協約に定められた

解雇要件に該当していること。

 

また、正当な手続きに沿った

解雇であること

 

4.解雇するにあたって、

解雇する従業員を選んだ理由に

合理性、相当性があること

 

これらの条件を

ひとつでも満たしていない場合は、

解雇は正当なものとして認められる

ことはありません。

 

つまり、不当解雇になります。

 

実際には、

このように極めて厳しい条件を

満たすことが求められている

にも関わらず、

解雇は横行しています。

 

では、それらの解雇が

正当なものであるかというと、

そうではない場合も多いのです。
むしろ、不当解雇に該当する

場合の方が多いかも知れません。

 

会社は、

従業員の無知につけこんで、

不利な条件で辞めさせるように

仕向けてきます。

 

このような単純な手口に

ひっかからないよう、

最低でも

「そう簡単に解雇は認められない」

ことだけは頭の片隅に

おいていてください。

 

■解雇は30日前までに

「お前のような社員は

もういらない!

明日から会社に来なくていい」

ワンマン経営の会社に

勤めていると、

いつこのようなセリフを吐かれても

不思議ではありません。

あるいは、

同僚や先輩、上司などが

このセリフを吐かれて

会社を去っていくのを

実際に目撃したことがある人も

いるでしょう。

しかし、

このような解雇の仕方は、

完全に不当解雇になります。

会社員は、

一般的に会社からの給与に頼って

生活しています。

いきなり解雇されて、

来月から急に収入がゼロに

なってしまうと、

すぐに生活が

成り立たなくなってしまいます。

そのような事態を避けるために、

少なくとも30日前に

解雇の予告を行うことが

必要とされています。

30日もあれば、

その間に会社を辞めてからの

身の振り方を考えて、

再就職活動なりに

着手できるからです

(就職先を見つけるところ

まで行くのは難しいでしょうが)。

なお、会社が30日前までに

解雇を予告しなかった場合は、

その期間の平均賃金を

支払う必要があります。

これを、解雇予告手当といいます。

解雇予告手当は、

必ず

「30日分の給料に該当する額をもらえる」

と考えている人もいますが、

そうではありません。

「解雇まで30日の猶予がない

場合は、30日に不足する日数分の

解雇予告手当を

もらうことができる」

というのが正解です。

少し理解しにくい部分ですから、

具体例をあげてみていきましょう。

解雇予告が2週間前だった場合、

本来求められる解雇予告よりも

30日-14日で16日遅れています。

このため、遅れた

16日分の解雇予告手当

をもらうことができます。

ちなみに、

解雇予告手当は退職日までに、

直接会社で支払うことが

義務づけられています。

退職後、

後日振り込みは

認められていません。