「退職手続き」について

1.「退職手続き」について

会社を辞めると簡単にいいますが、理由は人それぞれです。

一例を挙げると、転職、出産、リストラによる早期退職、定年退職などです。

誰にでも、必ず退職日はやってきます。

しかし、転職経験が豊富な人ならいざ知らず、「退職する」という経験を何度もしている人は珍しいのが現実です。

退職
辞めてしまった・・・

会社を辞めるということは、再就職するまでの間、失業保険は別として無収入になることを意味します。

また、今までは会社が代行してくれていた健康保険料や年金保険料の支払いなども自分で管理していくことになります。


退職後の健康保険や年金については、過去記事

退職後の健康保険と年金を参照されてください。


 

 
また、失業保険といった各種手当も、会社に頼らず、自分でやらなくてはならないのです。

「再就職活動に時間を取られていて、保険や税金の手続まで手が回らない」という人や、「何をすればいいのか見当もつかない」という方もおられるでしょう。

しかしそんな理由で、手続きをおろそかにしていると、結局後からつけを払うことになるのは自分になるのです。

もう少し具体的に見ていきましょう。

健康保険に未加入のままでいた場合。
病気になって病院にいったとき、医療費は3割ではなく、全額自己負担です。

国民年金に移行する手続きを怠っていれば、将来受けとる年金額はその分減ります。

失業保険も、決められた期間内にハローワークの窓口で手続きをしなければ、受給できません。

滅多に経験しない各種退職手続を、スムーズに自分で行なうことはなかなか難しいのです。

このカテゴリでは、そんな複雑で面倒な退職の各種手続を、短時間で読める各種トピック記事にまとめています。

あなたにとって必要な部分だけをピックアップして読むことができるよう構成しました。

退職に伴う各種手続をスムーズにクリアする一助になれば幸いです。

 

2.退職とは

退職すると、何が変化するのでしょうか。

当サイトをご訪問いただいているあなたは、色々な理由で退職された、あるいは退職することを検討されているかと思います。

キャリアアップを目指したい、今の仕事が自分に合わないように感じる、家族を介護する必要に迫られている、家族の転勤についていかなければならない・・・などなど。

理由は様々ですが、会社を辞めるには思い切った決断と、多くのエネルギーが必要になります。

これまでに会社を辞めた経験がない方は、退職するといっても何から始めたら良いのかすら判断ができないことも多いものです(最悪の場合、いきなり上司に辞表を出してしまったりします)。

退職届
退職届をさばく人事の人。

決して短くない期間勤務し、お世話にもなった会社。

ブラック企業で何らかの恨みを抱いている・・・といった事情でもない限り、できるかぎり円満に退職したいと考えている人が多いと思います。

特殊事情がない限りは、まず目指すべきは円満退職ということですね。

このカテゴリでは退職するにあたっての心構えや確認事項を見ていきます。

まずは、会社員であることで、どういったメリットがあるのかを見ていきましょう。

退職すると、今まで当たり前だと思っていたものがどんどん無くなってしまうからです。
備えがないと、不意打ち的な出費などで行き詰まってしまう可能性もあります。

会社員であることによって、あなたは下記のメリットを得ています。あるいは得ていました。

1.健康保険。厚生年金保険への加入
2.雇用保険や労働災害保険への加入
3.年末調整があるため、確定申告をする義務と手間から逃れられていること
4.住民税が給与から自動的に引かれているため、自分で納付する手間がないこと
5.会社の各種福利厚生制度を利用できる
他にもいろいろありますが、代表的なものはこんなところです。

「福利厚生制度なんか、あっても使えない」
という方も多いかも知れませんが、それでもあるのとないのでは大違いです。

退職後、再就職する予定であっても、失業期間は一時的にこういったメリットがなくなることを把握しておく必要があります。

こうしたことを怠っていたがために、後悔するはめになった人は大勢おられるのです。

後悔しないため、金銭面や健康面など計画をしっかり練ってから行動する必要があるのです。

3.退職を言い出すタイミング

上司の机に辞表をたたきつける。

ドラマや映画などではよく見られる光景ですが、あれはあくまでフィクションです。
現実であのようなマネをするのは、まともな社会人の行動とは評価されません。

また、自分の都合だけを押し通して会社から逃げ出すように辞めることもやってはいけません。
辞めると会社に伝える時期は退職のどのぐらい前がよいのでしょうか?

民法上では2週間前となっています。

しかし、これはあくまで法的にペナルティを負わないで済むという、最低限の期間に過ぎません。

引継業務や残務処理から考慮に入れると、1カ月前、できれば2ヶ月前くらいには退職の意思を伝えた方が無難です。

辞めるとき、いつまでに会社に伝えるのかは就業規則にも書いてありますので、できれば確認しておいてください。

また、繁忙期やプロジェクト進行中に辞めると伝えるのは好ましくありません。

次に気になるのは、「誰に言ったらいいのだろうか?」ということだと思います。

これは、直属の上司になります。

通常は課長クラス、業種や勤務先の組織形態によっては店長・営業所長などです。

時間を取ってもらい、直接口頭で伝えましょう。
メールなどで一方的に伝えると、悪い印象を与える可能性が高くなってしまいます。

また、会社を辞めることをやたらと同僚などに触れて回ることは避けるべきです。

上司に退職の意思を表明するときには、本当の理由を伝える必要はありません。
というよりも、伝えてるのは悪手です。

個人的な理由としておけば、退職まで上司のバックアップも得られやすくなります。

上司に向かって会社への不平不満をぶつけてしまうと、退職まで気まずい空気の中で過ごすはめになります。

また、会社を辞めることは家族と事前に伝えておき、お互いに協力できる体制を整えておく必要があります。

当たり前ですが、会社を辞めること=収入がなくなることを意味するからです。

 

4.退職を言い出すタイミングチェックリスト

退職の意思表示をするときのチェックリストです。

見落としがないよう、準備が完了したらもう一度各項目をチェックしておきましょう。

退職タイミング
退職タイミングをチェックしておきましょう。

1.会社の就業規則の退職の項目をチェックしたか

最低でも、就業規則にある意思表示の時期は守りましょう。

2.退職することを、直属の上司に直接伝えたか

直接口頭で伝えるのが大原則です。電話やメールでの意思表示は、極端に悪い印象を抱く人がいますので避けた方が無難です。

3.会社や同僚に迷惑がかからない退職タイミングか

繁忙期やプロジェクト進行中にいきなり人に抜けられると、残った人がその穴埋めをするはめになります。

4.退職日は、会社と調整の上で決定したか。自分だけで一方的に決めていないか

自分の都合はもちろん主張して構いません。しかし、会社の都合もある程度は聞き入れる必要はあります。

5.退職理由は、個人的な理由としたか

仮に会社対する不平不満が爆発した状態であっても、それを直接伝えるのは好ましくありません。

最終出社日まで、針のむしろ状態になってしまいます。

6.家族と相談したか。家族から協力するという約束は必ず取り付ける

家族に黙って会社を辞める人はさすがに滅多にいないでしょうが、具体的な項目についてまで協力してもらえる約束を取り付ける人はあまりいません。

辞めた後の生活費のやりくりなどについてよく話し合っておきましょう。

7.どうしても会社を辞める以外の選択肢はないのか?もう一度振り返る

会社を辞めるという決断をしたときに感情的になっていたのであれば、冷静になった後で辞めることへの恐怖がわいてきてしまうことも少なくありません。

辞めると決意してしばらく時間をおけば冷静さを取り戻しています。

最後にもう一度「退職するしかないのか?」と自分に問いかけてみましょう。

5.まとめ

・会社員を続けるメリットを確認し、本当に辞めたいのかを再度考える。

・退職を伝えるタイミングは、退職前1~2ヶ月が通常。

・法律上は2週間前で良いが、心証を悪くしやすいのでできれば避けたい。