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■第50回 社長の身内に気をつけろ

オーナー企業だと、

社長の身内が

社員として入社してくることがよくあります。

 

息子だったり、親戚の子だったりです。

 

社長はいいます。

 

「特別扱いはしない。

他の社員と同じスタートライン

からのし上がってもらう」

厳しくいくぞ
厳しくいくぞ!は表向きだけ

・・・予想できているとは思いますが、

ほとんどの場合、こんな発言はウソです。

 

「全然給料もらってないですよ」

社長の身内は、よくこういうことを言います。

 

特別扱いされていないということを

PRしたいのでしょう。

 

「全然給料もらっていない」

も本当のことです。

 

ですが、社員としての給料の他に、

役員報酬を受け取っていたとしたら・・・?

 

「給料は月25万円」でも、

役員報酬が「月100万円」

なんてことはザラにあります。

役員報酬は別モノだから~
役員報酬は別モノだから~

手の込んだ会社になると、

子会社の役員にして

その会社から役員報酬を還流させています。

 

これだと、社内の人間には

なかなかお金の流れがバレません。

 

社長は「会社が苦しいから」

といって社員の給料を削る。

 

社長の身内は

「私の給料も減りましたよー」

と特別待遇でないことをアピール。

 

その裏で、

ごっそり役員報酬が増えていたりします。

 

会社が苦しければ苦しいほど、

逆に身内には

「取れる内に取れるだけのお金を

残しておこう」

という気分になるのも、無理はありません。

 

しかし、会社が苦しいという時期に、

そんな事実が社員に知れ渡ったら

どうなるでしょうか。

 

「私も苦しいんですよ~」

という顔をしていた人間が、

実は社員の4倍、5倍の報酬を取っていた・・・

 

それを知ったら、あなたはどう思うでしょうか?

 

社員の大量離職は、

案外こんなきっかけで起こります。


関連リンク:困った社長への処方箋

社長の勘違い

社長の勘違い(続)


■ 編集後記

今回のケースの見つけ方を書いておきます。

 

まず、会社の登記簿の役員欄を見ましょう。

関連会社があれば、その会社の登記簿も見ましょう。

 

役員として、社長の身内の名前があったら、

かなり高い確率で役員報酬を受け取っています。

 

受け取っていない場合は、

社長が税金逃れのために

身内の名前を使っており、

それはそれで別の問題に

行き着いてしまうことが多くなります。

 

2.社長の息子は無能、は本当か?

 

会社は社会の公器、

などという言い方をします。

 

会社は私物ではなく、

社会に貢献するための公の器である、

という意味ですね。

 

まあ、こんな言葉は建前です。

 

中小零細企業のみならず、

株式公開しているような企業であっても、

創業社長は息子を社長にしたいのです。

我が子を社長に
我が子を社長に・・・気持ちは分かりますが、社員は大迷惑。

実際、

株主の監視がきついはずの上場企業でも、

社会経験が少ない年齢の役員が大勢います。

 

こうした役員は、社長と名字が同じです。

息子や、親戚なのですね。

 

会社は公器などときれい事を言っても、

例え上場企業となっても、

創業社長が考えていることは、

「ゆくゆくは、息子を社長に」

です。

 

さて、よく聞く言葉が

「社長の息子は無能」

です。

 

これは正しいのでしょうか?

 

少し考えてみると分かるのですが、

答えはほとんどの場合、

「無能でもないが、特に有能でもない」

です。

 

世間一般で、有能な人、普通の人、無能は人

の割合を考えると、

普通の人が一番割合として多いのは確かです。

 

だから、社長の息子とはいえ、

その「普通の人」に該当することが多いでしょう。

 

問題は、「普通の人」なのに、

役員にしてしまうことです。

 

役員は、その会社で

特に優秀な人でないとなれません。

 

単に社内政治が得意、

という可能性もありますが、

それでも何かに秀でてはいます。

 

しかし、社長の親戚は、

そういった選抜過程を

すっとばします。

 

入社後、数年の下積みをしたら、

いきなり役員です。

 

一般社員としては可もなく不可もなく、

という社長の親戚ですが、

役員として見た場合、やはり無能です。

 

絶対ではありませんが、

役員としての力量は

伴わない場合がほとんどでしょう。

 

これが、

「社長の息子が無能」

に見える最大原因です。

 

要するに、

「就いてはいけないポジション」

についてしまっただけの話です。

 

これは根が深い問題ですが、

なかなか解決することはありません。

 

創業者一族を全部会社からたたき出す、

ぐらいの荒療治が必要です。