雇用保険被保険者証

1.雇用保険被保険者証

今回は、失業保険をもらうために必要な重要書類のひとつ、雇用保険被保険者証についてお話します。
さて、失業保険をもらうには求職者登録手続きが必要です。

その手続きにあたっては、雇用保険に加入していたことが大前提となります。

そんな書類、知らんけど・・・
そんな書類、知らんけど・・・

雇用保険被保険者証は、その人が雇用保険に加入していたことを証明するための書類です。

記載内容は、雇用保険に必要なデータが主です。

具体的には、氏名、生年月日、被保険者番号、交付年月日、被保険者となった年月日、被保険者の種類、事業所名などです。

この雇用保険被保険者証、会社によって取り扱いが異なり、それがトラブルにつながることも少なくありませんので注意してください。

というのは、入社手続きが終了した後、社員に渡す会社と、そのまま会社が保管している会社があり、やり方がバラバラだからです。

会社が保管している場合は、退職するときに返却してもらわなければなりません。

入社手続き終了後に手渡されている場合、入社から何年も経っていると「雇用保険被保険者証が自宅のどこにいったか分からない」ということがよく起こります。

勤務している間は、そのような書類を気に留めることなどないから、これは無理もありません。

とはいえ、この書類がないと失業保険をもらうための手続きがいつまで経ってもできません。

再発行はハローワークで可能ですから、求職者登録手続きを行う前に行っておきましょう。

一手間増えてしまいますが、仕方ありません。

2.雇用保険被保険者離職票

失業保険の1日あたりの金額(基本手当日額)と受給日数を決定するのに必要な資料が、この雇用保険被保険者離職票です。

一般的には、単に離職票と呼ばれることが多いです。

この離職票、退職後に処理を行う関係上、退職時には手元にありません。

離職票は、退職後に会社が発送します。
離職票は、退職後に会社が発送します。

退職後、しばらくしてから自宅に送られてくることになります。

雇用保険法では離職票は退職後10日以内に渡さなければならないと決められていますが、守られないことも少なくありません。

何も言わないと処理を後回しにされますので、期限を過ぎたら待ち続けるよりも請求をかけましょう。

さて、この離職票は、2つの書類で構成されています。

ひとつめは、「離職票【被保険者資格喪失確認通知書(被保険者通知用)】」です。
長い名称ですので、単純に「離職票1」と覚えておけばよいでしょう。

この離職票1には、被保険者番号、事務所番号、離職者氏名などが記載されています。

次に、離職票【被保険者離職票】です。
こちらも、離職票2と覚えておけば十分です。

失業保険の基本手当日額や支給日数を決定するにあたって重要なのはこちらで、退職理由、や退職直前6カ月間の給与額が記載されています。

退職理由が会社と合意した内容になっているかどうかを確認しておきましょう。

解雇という口約束だったのに、離職票を見たら自己都合退職にされていた、などという話はいくらでもあります。

また、退職直前6ヶ月間の給与額もきちんと確認しておきましょう。

残業代などが計算に入っていないことが少なくありません。

こういった間違いがあってもその書類を使って求職者登録を済ませてしまうと、後から異議をとなえることは非常に難しくなります(不可能ではないですが・・・)。

3.求職申し込み手続き

会社から離職票が届いたら、ようやくハローワークで求職申し込み手続きを行うことが可能となります。

ここで、どこのハローワークに行くのかを間違える人がいますが、受付窓口は住んでいる住所を管轄するハローワークです。

家から一番近いハローワークとは限りませんので、注意してください。

どこのハローワークが管轄か、調べておきましょう。
どこのハローワークが管轄か、調べておきましょう。

また、会社の住所を管轄するハローワークに出向いてしまう人もいますが、これもよくある間違いです。

さて、自分の住所を管轄するハローワークに就いたら、受付で求職者登録に来たことを伝えましょう。

すると、求職者申込書という書類を手渡されます。

これは、「今からどのような仕事を探すことを希望するのか」をハローワークに伝える書類です。

具体的には、希望する職種や働きたい地域、希望する年収やその他労働条件の希望を記入していきます。

また、今まで経験してきた職歴を記入する欄もあります。

ハローワークでぶっつけ本番で書くのは意外と時間を食いますので、事前にある程度まとめておいた方がよいでしょう。

求職申込書が完成したら、必要書類を添えてハローワークの窓口に提出します。

その後、担当者と面談をして手続きは終了となります。

特に面倒なことはありませんが、退職理由に異議がある場合だけは話は別です。

例えば、解雇と会社から言われていたのに、届いた書類を見たら退職理由が自己都合になっているようなことはよく起きます(起きてはいけないのですが)。

この時点で異議を申し立てないと、後から覆すことは非常に難しくなりますので、忘れずに行いましょう。

4.まとめ

・雇用保険被保険者証は、失業保険をもらうためには必須の書類。普段はどこにあるか意識していないため、退職してから慌てて探し始める人も多い。会社が保管しているか、自分が保管しているか事前に確認しておきたい。紛失した場合も再発行ができるので心配は無用。

・離職票も、雇用保険被保険者証と同じく、失業保険の手続きに必須。退職から10日後までに会社から送られることになっているが、守られないことは珍しくない。請求しないと1ヶ月近く放置されることもあるので、期日までに届かない場合は遠慮なく問い合わせる。

・失業保険を受給する手続きは、自分が住んでいる住所を管轄するハローワークで行う。自宅の最寄りや、会社の住所を管轄するハローワークに行ってしまう人が多いので注意する。