うまい話には裏がある 失業保険.comメルマガ

■第55回 うまい話には裏がある

会社を辞めようと思ったとき、

すぐに辞表をたたきつけてしまう人は

めったにいません。

 

ほとんどの方は、事前に

「どこかいい転職先がないかな・・・」

と、求人広告をチェックしたり、

求人サイトに登録したりといった

準備を行います。

退職届
退職届をさばく人事の人。

今日は、

「条件がいいように見えて実は危険な求人」

についてお話します。

 

求人広告を見ていくと、

「営業課マネージャー募集」

「総務部責任者募集」

といった、いかにも

『キャリア買います』

といった募集を見かけることがあります。

 

特に、現在会社で

部署をひとつ任されているような方は

心惹かれるかも知れません。

 

ですが、ここで

疑問に思っていただきたいことがあります。

 

それは、

 

「なぜ、部門責任者をわざわざ募集するのか?

適任者が育っていないのか?」

 

「もともといた部門責任者はどこへ行ったのか?

辞めたのか?」

ということです。

元責任者
元責任者が辞めた理由が気になります。

仮に部門責任者が辞めて、

部署を切り盛りできる社員がいない・・・

という理由で責任者を募集している場合、

 

その会社は

まともに人材育成ができない体質

である可能性が非常に高いです。

 

また、部署の責任者といえば

それなりに苦労して手に入れたポジション

のはずです。

 

前任者が、

それをあっさり投げ出して

会社を去るというのは、

何か強烈な問題点がある

可能性が高いともいえます。

 

この部署が

総務・人事や経理だったりすると

なお強烈です。

 

一般的に、同じ会社の中では

離職率が低い部署だからです。

 

こういったうまい話に飛びついて、

結局自分も短期間で

その会社を離れるはめになった方を

何人か知っています。

 

都合が悪いことを隠している

会社には問題があります。

 

しかし、

「うまい話が

不特定多数の人間に開示されている」

という、いわば不自然な状況に

疑問を抱かない自分の責任でもあります。

 

うまい話など、

そうそう転がっているはずはありません。


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■ 編集後記

私の知人が嘆いていた言葉を紹介します。

「今の会社に転職したら、

同じ部署で最下位の扱いにされている。屈辱だ」

 

いくらキャリアがあっても、

新入社員に大きな権限を与える会社のほうが

まともではありません。

 

入ってしばらくは、

下の立場で

「その会社での仕事の進め方」

を覚えていくのは当たり前です。

 

自分のキャリアに自信があって

プライドが高いと、

こうした「当たり前のこと」

にイライラしてしまうようです。

プライドが高いと、不満を抱きがち
プライドが高いと、不満を抱きがち

 

Q&A

Q.現在の企業を辞める予定です。

 

転職先を探している最中ですが、

責任者募集という求人をかなり見かけます。

 

今の企業ではそれなりのポジションに

いることもあり、

部署をまかされるという、

これらの求人に惹かれてしまいます。

 

いきなり責任者募集、

という求人は怪しいということですが、

こういった求人には応募しない方が

いいのでしょうか?

 

A.責任者募集の求人

イコール、全部怪しい、

ということではありません。

 

新入社員をいきなり部署責任者

に就けるような、

無謀な募集に気をつけるべき、

という意味です。

 

『将来的には』

部署を任せるつもりで採用した

人材であっても、

いきなり部署の長を任せる、

というのは考えにくいです。

 

一方、まず平社員から入社し、

しばらく仕事への適性を見てから、

部署を任せる判断をする・・・

という場合は、

怪しい求人という訳ではありません。

 

採用した人材の能力・適性を

見極める期間を作れるということは、

企業にそれなりに体力があることを

意味します。

 

「昇進は、適性を見極めてから」

と言われると、

多くの転職希望者は

落胆するかも知れません。

 

「何だ、責任者募集といっていたくせに、

部署を任されることが確実じゃないのか」

と考えてしまう人もいるでしょう。

 

しかし、

それは転職先候補の企業が

『まとも』である証拠です。

 

面接時に、入社後のキャリアプランについては

説明があると思いますが、

あやふやにされるようなら、

こちらから質問してもよいでしょう。