どうなる雇用調整助成金/転職してすぐ辞めてしまったら、失業保険はもらえる?失業保険.comメルマガ

■ 第126回 どうなる雇用調整助成金

衆議院の総選挙が終わり、

民主党政権の誕生が確定しました。

 

さて、民主党ですが、政策のひとつとして、

「補正予算の執行停止」

をあげています。

 

この中には、124号で取り上げた

「雇用調整助成金」

が含まれています。

 

雇用調整助成金については、

過去の記事

クビにする前に考えよう

で詳しく説明しています。

 

雇用調整助成金を

簡単に説明すると、

「社員を解雇しないで

雇い続けている会社には、

国が給与の一定分を補助するよ」

という制度です。

 

対象者は238万人。

 

つまり、補正予算の執行停止によって

この雇用調整助成金が廃止されれば、

即この238万人の方の給与負担が

経営者にのしかかることになります。

 

解雇に踏み切る企業が続出するのは

想像に難くありません。

 

民主党は、

一部の社会的影響が大きな制度については

継続する旨を表明しています。
ですので、

雇用調整助成金も

継続する可能性はあります。

 

しかし、執筆時点では

個別の制度についてははっきりしません。

 

現在、この制度の適用を受けている方は、

制度の行方には神経をとがらせておいた方が

よいと思います。

 

助成金が打ち切られれば、

ある日突然、

会社が切り捨てにかかってきても

不思議ではないからです。

政治の動きが、助成金に影響する
政治の動きが、助成金に影響する

 

■ 編集後記

 

民主党批判だと取られそうなので、

ひとこと。

 

今回の記事は、

 

「政治の影響によって起こる、

制度廃止の可能性」

 

について言及したものです。

 

民主党を非難する意図は全くありませんので

ご了承ください。

 

■ 第127回 転職してすぐ辞めてしまったら、失業保険はもらえる?

前職を辞めるときに、

転職先を決めてから辞めた方から

質問をいただきました。

 

「転職したのだが、

入社前に聞いた話と違うので

辞めたいと思っている」

 

「今の会社にはまだ勤めて

半年もたっていないので、

辞めたら失業保険はもらえないのか?」

 

といったものです。

 

入社前と話が違う
入社前と話が違う

 

結論から申し上げますと、

問題なく受給可能です。

 

失業保険の受給資格が発生するのは、

雇用保険の加入期間が

解雇や会社都合退職の場合で半年、

自己都合退職で1年です。

 


関連記事:

失業保険をもらうために必要な雇用保険加入期間


 

しかし、この条件は

「1社で満たさなければならない」

というものではありません。

 

前職と今の会社の勤務期間が

通算可能だからです。

 

合計して必要な加入期間があれば、

失業保険は受給できます。

 

「1社で加入期間を満たさないともらえない」

と考えている人が意外と多いのですが、

下手をすると数十万円を

もらい損ねることになります。

 

注意したいところです。


関連記事:

雇用保険の加入期間は通算できるのか?

雇用保険の加入期間は通算できるのか? 2


■ 編集後記

雇用保険の加入期間を

通算できない場合は、

以下の2パターンです。

 

1.失業保険を受給した

2.前職との間に1年以上間が空いた

 

1.の場合は当然ですが、

2.は意外と

ひっかかってしまう人が多いです。

 

退職後、海外にしばらく滞在する、

といった人はもらい損ねがないように

スケジュールを組まれることを

お勧めいたします。

海外 長期滞在 留学 失業保険
海外に長期滞在には注意

ちなみに、退職後1年たつと、

受給途中でも打ち切られてしまいます。

 

血も涙もないですね。

 

ですので、例えば

失業保険をもらえるのが90日と仮定すると・・・

 

前の会社を退職してから、

遅くても9ヶ月目には

失業保険の受給がスタートしていないと、

失業保険をフルにもらうことはできません。

 

10ヶ月目に失業保険の受給がスタートすると、

最後の1ヶ月は「退職後1年以内」

という制限にかかり、

失業保険をもらっている最中であっても

打ち切られてしまうのです。

 

さらにさらに、

自己都合退職だった場合は、

3ヶ月という受給制限期間がつきます。

 

この場合、退職後6ヶ月以内に

失業保険をもらう手続きをしておかないと、

受給途中で打ち切りをくらう計算になります。

 

「失業保険をもらえるのは、退職後1年以内」

というと余裕があるようなイメージですが、

こうして具体的に期間を計算すると、

実はさほど余裕がないことが分かります。