海外にいる間、年金保険料はどうなる?&デマ注意報 失業保険.comメルマガ

■ 第119回 海外にいる間、年金保険料はどうなる?

最近いただくご相談で、

「退職して海外に行く」

という方が増えてきました。

前々から留学などを希望していて、

会社を辞めた機会に・・・

という方が多いようです。

 

海外 国民年金保険料
海外にいる間、国民年金保険料は支払う?

 

さて、海外にいる間は国民年金保険料は

払わなければならないのでしょうか?

 

25年以上保険料を払っていないと、

年金は1円ももらえません。

 

これでは海外在住期間が長期間になる場合、

支払い期間が足りなくなってしまいそうです。

 

結論からいいますと、

海外にいる間は、

国民年金保険料は

払っても払わなくても構いません。

 

払っていなくても、

支払った期間として扱われます。

 

つまり、海外に10年滞在した場合、

10年分、支払ったと見なされるのです。

 

「じゃあ、払わない方が得では?」

と思われるかも知れません。

 

しかし、

もちろん一方的にうまい話はありません。

 

払わなかった場合、

年金の額は当然減らされてしまいます。

 

年金が少ない 海外にいたから
年金が少ない 海外にいたから

 

海外滞在期間が長期になった場合、

今まで支払った

年金保険料が無駄にならないよう、

このような措置が

取られていると考えてください。


関連記事:

退職後の年金は国民年金のみ

年金 受給手続


■ 編集後記

なぜ、年金保険料を支払わなくても

年金がもらえるのでしょうか?

 

これは、年金の3分の1は税金から出ているからです。

 

つまり、全く払わなかった期間については

年金額が3分の1になります。

 

この税金負担分、

予定ではすでに2分の1に増えているはず

だったのですが、

国の財政が苦しいこともあり、

今のところ凍結されています。

 

※注:2017年現在、

年金の国家負担分は半分になりました。

 

■ 第120回 デマ注意報

3月31日に雇用保険法が改正されました。

この改正は、

主に非正規雇用の方の保護を

主眼においたものです。

 

ところで改正後、

大きな誤解をされている方が

増えてきました。

 

「失業保険、半年勤めていたら

もらえるようになったんですよね」

 

というものです。

 

私の元に寄せられる質問でも、

「友人から、半年でもらえるようになったと聞いた」

という方がすでに数人いらっしゃいます。

 

雇用保険の加入期間が半年でよいのは、

あくまで

「契約が更新されなかった非正規雇用」

の人です。

 

契約期間の定めがない正社員の方は、

これに当てはまりません。

 

勘違いしたまま辞めてしまえば、

「もらえると思っていた失業保険が

もらえないことに気づいて途方に暮れる」

となりかねません。

 

デマ情報にだまされた
デマ情報にだまされた

 

改めて注意していただきたいと思います。

 

■ 編集後記

契約期間の定めがない正社員の方が、

半年の雇用保険で失業保険をもらうには

会社都合退職する必要があります。

 

補足:契約期間の定めがない正社員とは?

 

文中に、

「契約期間の定めがない正社員」

とありますが、

これはどういうものでしょうか?

 

「契約期間の定めがない正社員」

がいるということは、

「契約期間の定めがある正社員」

もいるということでしょうか?

 

このような表現をしていますが、

「契約期間の定めがない正社員」

イコール、普通の正社員を指します。

 

正社員というのは、

「基本的には、定年まで勤める」

ことを前提に採用されます。

 

つまり、

「1年とか2年とか、期限を定めないで働く」

のが正社員ですから、

期限の定めがない、という表現をされるのです。

 

一方、

期限の定めがある社員というのは、

契約社員やアルバイトの方を指します。

 

こういった雇用形態は、

一般的には非正規雇用と言われます。

 

こういった方々は、

「3ヶ月契約。延長は可能」

といった具合に、

契約期間を区切って働きます。

 

引き続き働く場合は、

契約延長という形をとります。

 

契約期間満了で

辞めてもらうことが可能なので、

「雇用の調整弁」

として利用されています。

 

ただ、契約満了時に

いきなり「契約打ち切りです」

と告げるクビ切りが横行した結果、

社会問題化しました。

 

こういう場合、

前回の契約更新時に

「これで更新は最後」

「次の更新はないのでそのつもりで」

と言っておけば法的には

問題ありませんでした。

 

しかし、そいうった予告をせず、

契約がそろそろ終わる・・・

という段になって

「では、辞めてください」

と切り出したため、

路頭に迷う方が続出したのです。