職業訓練で失業保険を延長

1.職業訓練で失業保険を延長

失業保険をもらう期間を最大限に引き延ばす最終手段。

それが、職業訓練校に通うことです。

最終手段は職業訓練。
最終手段は職業訓練。

なぜかというと、職業訓練がスタートした日から終了する日まで、失業保険がずっともらえるからです。

「失業保険がずっともらえる」
この点が、職業訓練の恐ろしいほどのメリットを表しています。

仮に失業保険をもらえる期限を過ぎてしまったとしても、その訓練に通っている間は引き続き失業保険をもらうことが可能だからです。

これは、訓練延長給付と呼ばれます。

職業訓練の多くは、3ヶ月から6ヶ月の期間が設定されています。

つまり、最低でもこの期間は失業保険をもらい続けることが可能ということを意味します。

20代の人だと、仮に会社都合退職した場合でも失業保険をもらえる期間は最大で120日ですから、職業訓練がどれだけ優遇されているのかがお分かりいただけるかと思います。

また、ルートはかなり限られますが、1年や2年といった長期の職業訓練も存在しています。

こういった長期の職業訓練は、スタートは4月に偏っているなど、退職者に優しいスケジュールにはなっていません。

例えば、6月に退職したような場合だとどうやっても1年コースには潜り込めないからです。

しかし、もし可能であればこちらを検討してみるのもお勧めです。

なお、職業訓練を受けることで失業保険の受給日数を増やすには、以下の条件を満たしている必要があります。

・訓練の開始時点で、一定の失業保険受給残日数が残っていること
・「一定の残日数」とは、所定給付日数が90日、120日の場合は1日、それ以外は3分の1超(例えば、180日の場合は61日以上)

こういったルールを理解しないまま入所試験を受けると、「合格したはいいけど失業保険が延長されない」という悲惨な状況になってしまいます。

 

2.職業訓練で、3ヶ月の給付制限を撤廃

自己都合退職をすると、3ヶ月の受給制限期間がつきます。

つまり、退職してから3ヶ月間は、全く失業保険をもらえません。

手に職系の職業訓練は定番です。
工業系の職業訓練は定番です。

なぜこんな扱いになっているかというと、「自己都合退職は、自分の意思で辞めたのだから、退職にあたってそれなりに準備を整えているはず」と国が考えているからです。

実際のところは、辞めさせられたような場合でも自己都合退職で処理されることは横行しており、このような取り扱いで悲惨な目に遭っている人は大勢いるのですが・・・

それはともかく、この給付制限期間、職業訓練に行くことで解除することが可能なのです。

職業訓練の開講日から、失業保険が支給されます。
例え、それが3ヶ月の受給制限期間内であってもです。

このように、職業訓練には前回説明した「失業保険の給付期間を延長するメリット」に加え「自己都合退職の場合につく3ヶ月の受給制限期間を解除するメリット」もあるのです。

といっても、準備の段取りが悪い場合、このメリットを享受することはなかなか難しい面もあります。

なぜかというと、職業訓練には当然のことですが募集期間と選考試験、合格発表と、開講までにそれなりの時間が必要だからです。

大まかにいうと、開講日の2ヶ月前~3ヶ月前からスタートすることになります。

これでは、3ヶ月の受給制限期間が解除されるといっても、あまり短縮されることはなさそうです。

しかし、在職中に職業訓練の選考試験を受けるといった「先回り受験」をしていた場合は、この限りではありません。

合格通知を受け取ってから退職すれば、退職後すぐに職業訓練の受講がスタートする段取りも可能です。

この場合、仮に自己都合退職した場合であっても失業保険を退職後すぐにもらうことが可能になるのです。

3.まとめ

・職業訓練を受けることで、訓練終了日まで失業保険をもらい続けることが可能になる。

・1年や2年という長期の職業訓練コースもあるが、募集時期が限られているため、現実的に狙うラインは3ヶ月から6ヶ月の訓練となる。

・職業訓練のスタートまでに、最低1日の失業保険受給日数が残っていることが必要。もし失業保険をもらいきってしまっていた場合、職業訓練を受講しても失業保険の延長をうけることはできない。

・職業訓練の受給がスタートした時点で、3ヶ月の受給制限期間が解除される。

・退職後すぐに失業保険をもらうには、在職中に職業訓練に応募、合格しておくとスムーズにいく。