15分未満の残業代はカット 失業保険.comメルマガ

■第82回 15分未満の残業代はカット

あなたの会社では、

残業代を計算するときに

どのような計算をしているでしょうか?

 

結論から言うと、

残業代は1分単位で支給しなければならない

ことになっています。

サービス残業 
残業代は1分きざみ。サービス残業は論外

しかし、

「30分未満の労働時間は

残業代をもらえない」

 

「私の会社では、

15分未満の残業代はカットされる」

という話をよく聞きます。

 

中には完全にだまされていて、

「30分未満は残業代がつかないので、

残業時間ではないですよね?」

と聞いてくる方までおられます。

 

当然、これは問題のある行為なのですが、

あちこちの会社で横行しています。

 

会社の側に立ってみれば、

大幅な人件費の節約につながるので

自主的には止められないでしょう。

 

ひとりあたりの金額は小さくても、

社員全員のカット分を合わせたら

膨大な金額になるのです。

 

結果として、

表に出るときには

大きなトラブルになってしまうことが

多いようです。

ここまで大問題になるとは思わなかったんです・・・って、それでも経営者か
ここまで大問題になるとは思わなかったんです・・・って、それでも経営者か

対処法ですが、

まともに抗議したら

勤務評定を下げられてお終いでしょう。

 

オーナー企業なら

追い出されることも珍しくありません。

 

外部(労働基準監督署)にこっそり通報

というのが現実的な方法です。


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■編集後記

今回の、「残業時間のカット」

でトラブルになった企業を調べてみたら・・・

 

また「日本マクドナルド」

の名前にあたってしまいました。

 

2005年8月に、

「30分未満の残業代をカットしていた」

として、

労基にお灸をすえられたようです。

 

対象は社員だけでなく、

パートやアルバイトにまで及んでいました。

 

店長は残業代ゼロ、

社員・パート・アルバイトは残業代カット。

 

私は個人的には

日本マクドナルドには

何の感情もありませんが、

なぜか労働関係のトラブルで

名前を見かけることが多い、

という印象です。

マクドナルド みなし店長
ハンバーガーに血と涙がしみているのでしょうか

2.アルバイトまで残業代カット

10年ほど前、

2,000年代の半ばあたりから、

アルバイトにまで

サービス残業を強いる

会社が出現しました。

 

それまでは、

正社員は給与が高いが、

サービス残業は受け入れる。

 

アルバイトは給与が安い分、

残業代はきっちりもらえる、

 

という棲み分けがされている会社が

多かったように思います。

 

当然のことですが、

正社員だからといって

サービス残業を受け入れるのが当然、

という価値観は大間違いです。

 

あくまで、

「そのような価値観で動いている会社が

多かった」

という意味です。

 

その後、リーマンショックを経て、

企業は人件費の抑制に

狂ったように執着するようになりました。

 

ここでとうとう手をつけられたのが、

アルバイトの残業です。

 

アルバイトに対しても、

サービス残業を強いるようになった

のです。

 

そもそも、

働いた時間に応じて給与が決まる

アルバイトに対して、

サービス残業・・・・

というのが意味不明です。

 

いや、意味不明どころか

さらに違法性が増しています。

 

しかし、

意味不明だろうが違法だろうが、

「会社に都合が良い方向の変化」

は一瞬で定着してしまいます。

 

かくして、

それまでは時給ベースで

「時給は安いが」

「働いた分はきっちりもらえる」

アルバイトは、

「正社員並の無賃金労働」

を強いられるようになりました。

 

この傾向は改善されるどころか、

どんどん強化されていき、

とうとう、ブラックバイト

なる造語まで登場しました。

 

ブラックバイトとは、

学生などのアルバイトが、

学業などの本業に支障を来すレベルの

長時間労働を強要されることを指します。

 

中には、半年間の休日が8日、

大学の試験を休んでまで

アルバイトのシフトに入ることを

強要され、

留年した大学生アルバイトまでいました。

 

アルバイトを辞めようとすると、

「人がいないのに辞めるのか」

「店が潰れたら、損害を請求する」

などと言われ、恐怖で

思考力を奪われていた、

という話もあります。

 

ここまで酷い事例は

さすがに珍しいですが、

程度が弱くとも

学業に支障をきたすような

アルバイトを強制されている

人は少なくありません。

 

会社の内部には

公権力が介入する機会が

少ないせいか、

どうも

おかしな理屈が

横行しやすい構造のようです。