自転車通勤したら定期代はもらえないの? 失業保険.comメルマガ

■ 第161回 自転車通勤したら定期代はもらえないの?

桜の季節も過ぎて、

かなり暖かくなってきました。

 

このぐらいの気候だと、

自転車通勤にはうってつけです。

 

健康を気にしたり、

最近では帰宅難民になることを

避けるため、

自転車通勤をされている方は

結構な数おられます。

 

さて、自転車通勤は

結構なのですが、

会社から

「自転車通勤しているのであれば、定期代は没収だ」
「自転車で来ているんだから、通勤手当をもらうのは会社に対する詐欺だ」
などと言われた・・・

という話を聞くことがあります。

 

これは、正しいのでしょうか?

 

絶対的な答は、実はありません。

法律上は、

自転車通勤に切り替えたからといっ

て通勤手当をもらう権利が

なくなる、
ということはありません。

しかし、就業規則で

「実際に通勤定期を

購入しない場合は、

通勤手当は支給しない」

といった制限をかけることは

問題ありません。

 

つまり、法律上は

「自転車通勤 →

即通勤手当没収」
とはならないのですが、

就業規則違反でアウト、

という可能性は十分にあるのです。

類似のケースで、

通勤定期の現物を

支給している会社、

あるいは定期の購入を

チェックされる会社の場合。

 

支給された後、

あるいは会社による

チェックが終わった後、

こっそり通勤定期を

払い戻しする人もおられるようです。

しかし、これは

懲戒処分にされても

文句がいえません。
通勤定期を無断で払い戻しは、

絶対にやってはいけません。

 

会社が

「リストラしたくてたまらない」

などという状況だと、

まっさきに追い出す口実に

使われるでしょう。

 

自転車通勤をする場合、

まずは就業規則を見て、

通勤手当の項目を

チェックしてみてください。
そこに、

「この会社でやっていいこと、

まずいこと」の答えが載っています。

■ 編集後記

自転車は健康にはいいのですが、

自動車と違い

保険への加入が

義務づけられていません。

そのため事故を起こしたときの

負担額がとんでもないことに

なりやすいです。

 

自転車が人に衝突して、

人に後遺症が残った事故では
自転車側に6,000万円という

支払いが命じられました。

 

自転車にも

任意保険がありますので、

万全を期するなら

そうした保険に入っておいた方が

よいと思います。

 

■ 簡単に懲戒解雇などと口走ってはいけない

最近いただいたご相談の中で、

悪質な「会社追い出し」

の手法が目立つように

なってきました。

 

せっかくですので、

ここでバラしてしまいたい

と思います。

 

その手法とは・・・

 

普通なら注意程度で済むような

仕事のミスをあげつらって、

「懲戒解雇だ」

と脅すというものです。

 

懲戒解雇される・・・と聞くと、

普通は
「再就職がすごく

不利になるんじゃないだろうか?

と不安になるものです。

そうやって

不安になっている社員に、

会社は少し優しい言葉をかけます。
「君の将来のためもあるから、

退職届を自主的に出してくれたら、

自己都合退職で処理する」

 

こうして、懲戒解雇を避けるために

まんまと退職届を出してしまい、

自己都合退職で会社を去るのです。

 

この一連の流れ、

もう言うまでもないと思いますが、

会社の説明は

デタラメもいいところです。

 

解雇は、

あらかじめ就業規則に

規程されている「解雇事由」

に当てはまらなければなりません。

しかも該当した=条件を満たした

とはならず、
・経営上の事情
・会社が何度指導しても

改善が見られず、

今後改善する見込みもない
といった条件も

同時に満たす必要があります。

つまり、

「誰が見ても解雇で仕方ないよね」

という状況でないと

解雇の正当性は認められません。

 

そのぐらい、

解雇というのは条件が厳しいのです。

 

さて、今回は懲戒解雇です。

これは解雇よりもさらに厳しい

条件を満たさなければ

正当性が認められません。

 

理屈は省きますが、

おおよそ犯罪を犯して逮捕される

ぐらい悪いことをしなければ、

そうそう認められるものではない

のです。

 

つまり、会社は

「懲戒解雇にする」

という脅しをかけて、

自分から辞めるように

仕向けているのですね。

 

本来、会社は簡単に

懲戒解雇などと

口走ってはいけないのです。

 

懲戒解雇という単語を聞くと

会社員なら誰もが怯えてしまうと

思いますが、

「果たして、

自分はそんなに悪いことを

しただろうか?」

とまず自問してみてください。

それが身を守ることにつながります。

■ 編集後記

この流れで

自首退職を強要されている

というご相談を、

短期間に複数いただきました。

 

誰かが、

リストラの手法として

広めているのかも知れませんね。

しかし、本編で書いたように

根拠がないハッタリに

過ぎませんから、
冷静に対処すれば切り抜けられます。

それどころか、

悪質な退職強要を行ったとして、

会社の責任を問うことすら

可能でしょう。