ハローワーク元職員ら有罪=職歴漏えい汚職―失業保険ニュース

1.ハローワーク元職員ら有罪=職歴漏えい汚職

ハローワーク横浜で

10年にわたって行われてきた

求職者の個人情報漏洩事件。

ひとまず決着がつきました。

 

主犯のハローワーク元職員は

懲役2年、執行猶予3年。

 

共犯の調査会社役員は

懲役1.5年、執行猶予3年となりました。

 

いずれも、検察の求刑通りとなっていますが、

執行猶予付きでもあります。

 

執行猶予ということは、

再犯でもしない限りは、

刑務所にはいかないということです。

執行猶予=刑務所には行かず済む
執行猶予=刑務所には行かず済む

ここまでやらかしておいて、

実際には服役しないというのは、

ずいぶんと寛大な処置のように思えてしまいます。

 

もちろん、法律のプロから見たら

これが妥当なのでしょう。

 

しかし、

「数千万円の利益を得ておきながら、

刑務所には行かずに済んだ」

と聞くと、

「だったら、自分もやろう」

と考える人間が出てきても

不思議ではありません。

 

犯罪で得たお金は没収されるといっても、

実際にはまず残っていないので

回収できませんから・・・

 

以下、時事通信からの引用記事です。

 

■ハローワーク元職員ら有罪=

職歴漏えい汚職―名古屋地裁

 

雇用保険の被保険者の

職歴情報漏えいをめぐる汚職事件で、

加重収賄と国家公務員法(守秘義務)違反の罪

に問われた横浜公共職業安定所(ハローワーク横浜)

元非常勤職員西沢えみ被告(47)の判決で、

名古屋地裁の後藤真知子裁判長は13日、

「国民の信頼を著しく失墜させた」

として懲役2年、執行猶予3年(求刑懲役2年)

を言い渡した。

 

贈賄罪などに問われた

調査会社役員藤田利恵子被告(51)は

懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)とした。

 

後藤裁判長は

「利益目当てに長期にわたって癒着し、

漏えいと対価の支払いが常態化していた。

利欲的で酌量すべき点はない」と述べた。

 

判決によると、西沢被告は今年3~5月、

被保険者96人の職歴情報を藤田被告に教え、

神奈川県藤沢市の自宅付近で、

藤田被告から現金96万円の賄賂を受け取るなどした。


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ハローワーク元職員ら有罪=職歴漏えい汚職(この記事です)


 

2.執行猶予が過ぎれば、犯罪歴は消える

1.の事件では、

結局、執行猶予がつき、

実刑には至りませんでした。

 

収賄などの罪で初犯だと、

いきなり刑務所行き、

ということは珍しいようです。

刑務所行きは免れました
刑務所行きは免れました

とはいえ、

10年間にも渡って不当な利益を得てきて、

刑務所にも行かない、

というのはおかしな話です。

 

おかしいのは確かですが、

裁判所の判断ですので

それが法律的には妥当なのでしょう。

 

この執行猶予の期間、

新たに犯罪を犯すことなく

過ごせば、犯罪歴は消えます。

 

どうにも、理不尽ですね。