失業保険の控除額はいくら?

1.失業保険の控除額はいくら?

「失業保険の控除額はいくらでしょうか?」

このようなご質問をいただくことがあります。

 

答えはシンプルです。

「0円」。

 

失業保険には、控除額はありません。

失業保険は控除0円
失業保険は控除0円

つまり、失業保険の額面額が、

そのまま振込先口座に入金されます。

 

サラリーマンを長年やっていると、

額面がそのまま口座に振り込まれることに

不自然さを感じるようになってしまいます。

 

所得税だけでなく、

住民税、健康保険料、雇用保険料、年金保険料と、

給与明細は控除のオンパレードで、

そういった状況になれてしまうからです。

 

このため、

「失業保険・・・手取りはいくらだろうか?

いくら控除されるのだろうか?

という疑問が頭に浮かぶようです。

 

こうした疑問を抱く方は、

むしろ頭がいい方が多いようです。

 

世の中には

「給与は手取額しか見ていません」

という方も大勢いて、

そうした方はそもそも控除額など

気にもしていないからです。

 

単に、会社勤めをしてもらう給与のルールを、

そのまま失業保険に当てはめてしまったので

正解から遠ざかっているだけです。

 

繰り返しになりますが、

失業保険には控除額はありません。

全額もらえます。

 

しかし、ここで気をつけていただきたいのが

社会保険料の存在です。

 

失業保険には所得税や住民税はかかりませんが、

それと健康保険料や年金保険料といった

社会保険料はまた別枠です。

 

これは、別途納付する必要があるのです。

社会保険料は自分で納付
社会保険料は自分で納付。お金は残しておこう

サラリーマンをやっていたときは

全部自動的に引かれて

口座に振り込まれていたのですが、

いざ会社を辞めると

全く違ったルールに従わなければならないのです。


関連記事:

失業保険は、手取りはいくらになりますか?

失業保険に税金はかかってくるのか?


 

2.住民税も忘れずに

1.で見たように、失業保険からは、

何の税金もひかれることはありません。

 

全額、口座に振り込まれます。

 

しかし、そのお金を全て生活費に使ってしまうと、

少々困ったことになります。

 

というのは、住民税は、

退職後に自分で納付しなくてはならないからです。

 

「おかしいでしょう?

失業保険からは控除されるお金は

ないって言いませんでしたか?」

 

はい。

確かに、失業保険から控除されるお金は0円です。

 

しかし、控除されることと、

「全額、自分で使える」

ことは全く別の話です。

 

サラリーマン時代なら会社が計算して

納付してくれていた住民税。

 

これは、退職後は、

自分で納付しにいく必要があります。

 

所得税は?

 

所得税は、支払う必要はありません。

失業保険は、所得とはみなされないからです。

 

では、なぜ住民税だけは

支払う義務があるのでしょうか?

 

それは、住民税は

「昨年の所得を基準に計算するから」

です。

住民税は去年の所得が基準
住民税は去年の所得が基準

つまり、仕事を辞めているにも関わらず、

仕事をしている人と同水準の税額を

納付することを要求されます。

 

やむを得ない事情があれば

住民税の額を減らせてもらえたりしますが、

そのようなことも、こちらから動かない限り、

お役所が親切に教えてくれることもありません。

 

お役所は、住民税を「もらう側」ですので、

自分らの取り分が減るようなことは

進んで教えようとはしないのです。

 

ひどい自治体になると、

「住民税を減らす制度は、うちにはありません」

などと、平気でウソをつくところもあります。

 

確かに、住民税の減免は、

各自治体によって

条件の厳しさが全く違っています。

 

しかし、「全くない」

ということはありませんので、

こうした説明はデタラメです。

 

多くの人は、

お役所の窓口にいる人は

知識豊富な専門家

だと思っています。

 

しかし、

そうした人たちが

「あなたが一番有利な選択肢を提示してくれる」

とは限りません。

 

むしろ、期待薄です。