職安職員に懲役2年求刑=職歴情報漏えい汚職-失業保険ニュース

1.職安職員に懲役2年求刑=職歴情報漏えい汚職

以前にもお伝えした、

ハローワーク横浜の職員が

10年間にわたり

個人情報を売り渡していた事件です。

 

今回、名古屋地裁で初公判が開かれ、

ハローワーク職員に

懲役2年が求刑されました。

(依頼していた調査会社役員には1年半)

懲役2年を求刑
懲役2年が求刑されました

・10年にわたって求職者の個人情報を漏洩

・得た報酬は3千万円~4千万と言われる

 

これらを加味すると、

刑が「ちょっと軽いのでは?」

という感想を持つ方も多いと思います。

 

数千万稼いで、

逮捕されても懲役2年なら

あまり抑止力にならないような気がします。

 

犯罪で得た利益は、

本来は返さないといけない

(か、国が没収)のですが、

「無い袖はふれない」

ということで、

実際に返還されている割合は少ないのです。

 

弁護士は

「被害者には経済的な損失がないから、

大した悪影響はない」

と主張しているらしいです・・・え?


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職安職員に懲役2年求刑=職歴情報漏えい汚職(この記事です)

ハローワーク元職員ら有罪=職歴漏えい汚職


以下、時事通信からの引用記事となります。

 

■ 職安職員に懲役2年求刑=

職歴情報漏えい汚職-名古屋地裁

 

雇用保険の被保険者の

職歴情報漏えいをめぐる汚職事件で、

加重収賄と国家公務員法(守秘義務)違反

の罪に問われた横浜公共職業安定所(ハローワーク横浜)の

非常勤職員西沢えみ被告(47)ら2人の初公判が

14日、名古屋地裁(後藤真知子裁判長)であり、

いずれも「間違いありません」と起訴内容を全面的に認めた。

 

検察側が西沢被告に懲役2年、

贈賄罪などに問われた調査会社役員藤田利恵子被告(51)に

同1年6月を求刑するなどして結審した。

 

判決は9月13日。

個人情報漏洩の報酬
個人情報漏洩の報酬は莫大な額になりました

2.誰が情報を買っているのか?

 

この事件で、ほとんど気にしている人がいないのですが、

そもそも、「調査会社」が

「求職者の個人情報収集を依頼していた」

のです。

 

つまり、

これら「求職者の個人情報」

を買いたがる人がいた、

ということを意味します。

 

職歴は厳密に保護されるべき個人情報ですが、

なかなか調べることができないからこそ、

その情報にアクセスできる人間には、

高い報酬が支払われる、

という構造ができあがります。

 

例えば、ある種の探偵事務所は、

調査対象の名前さえ分かれば、

電話番号や住所などを

簡単に割り出せてしまいます。

(全部の探偵事務所ではありません)

 

調査時間は、1日もかかりません。

 

このような探偵事務所は、

例えば携帯電話会社の社員を

協力者として取り込んでいます。

 

もちろん、

使用目的外の個人情報を売り渡すわけで、

立派な違法行為です。

 

このような社員が本当にいることは、

「個人情報売買」

で逮捕されている携帯ショップの社員が

存在することで明らかです。

 

携帯キャリアも対策を講じていますが、

仕事の過程で個人情報を取り扱う以上、

完全に防止するのは難しいようです。

 

このように、

個人情報保護にうるさくなったため、

逆にその情報を高く売りさばく人間が増えました。

 

恐ろしいのは、

個人情報を売る人がいる、ということよりも、

個人情報を買いたがる人間が大量にいる、

という事実です。

 

個人情報を買いたがる人間がいなければ、

調査会社や探偵事務所は

個人情報収集の依頼などしないからです。