求職活動の具体的内容

1.求職活動の具体的内容

失業保険をもらうには、28日サイクルの各期間に、指定された回数の求職活動をしていることが条件です。

求職活動の回数は、それぞれのハローワークで具体的な回数が指定されますが、原則として、2回で、甘いところは1回、厳しい場合は3回となっています。

さて、求職活動の回数についてはいったん分かってしまえば特に迷うことはありません。

しかし、ところどころ迷うのが、「何をやったら求職活動として認められるのか?」でしょう。

これについても、ハローワークによって若干の差があります。

転職セミナーへの参加も、求職活動実績になります。
転職セミナーへの参加も、求職活動実績になります。

下記で、求職活動として認められている活動内容を具体的に見てみましょう。

1.求人応募
2.ハローワーク主催の求人セミナーを受講した
3.ハローワークで就職相談を行った
4.ハローワークで職業紹介を受けた
5.派遣会社に就職相談を行った
6.派遣会社に職業紹介を受けた
7.派遣会社が主催する就職セミナーなどを受講した
8.公的機関(地方自治体など)主催の求人セミナーを受講した
9.公的機関(地方自治体など)から職業紹介を受けた
10.再就職に関連する資格試験の受験

多くの人にとっては、1.の求人応募以外は「求職実績」として見慣れないものだと思います。

しかし、雇用関連のセミナーや転職フェアへの出席であっても、原則としては求職活動にカウントされるのです。

「毎回、履歴書を書かなければいけないのか・・・」
と気が重かった人にとっては、「それ以外の方法もたくさんある」と知るだけでも気が楽になるのではないでしょうか。


 

それ以外にも、求職活動のカウントを増やす方法があります。

詳しくは、別項目

求職活動の裏技

をご覧ください。


 

なお、ハローワーク端末での求人閲覧が求職活動として認められるところは珍しくなっています。

もし、通っているハローワークが単なる求人閲覧を求職活動としてカウントしてくれるのであれば非常に幸運です。

対して、どこのハローワークであっても求職活動として認めていないのが、「インターネット上での求人情報閲覧」です。

使っている端末の違いだけで、どちらも「求人情報の閲覧」という点では変わりがないのですが、何が理由なのでしょうか。

ともかく、「最低でも、ハローワークに足を運ぶくらいして下さい」ということなのかも知れません。

2.ロースクールに行きながら失業保険もらえる?

会社を辞める理由は様々ですが、資格試験を目指して退職する人も大勢おられます。

ロースクールなど、受験資格を得るために会社を辞める人もいるでしょう。
(類似の大学院に、会計大学院などがあります)

さて、「専門学校に通うために退職した」場合、失業保険は支給されるのでしょうか。

答えは、「支給されません」。

なぜかというと、失業保険は「就職先さえあれば、いつでも仕事を始めることが可能な人」だけに支給されると決められているからです。

ロースクールに行っている人の場合、昼間は授業などに拘束されているわけですから、この条件を満たしません。

「学業に専念している人」は失業保険の支給対象外となってしまうのです。

つまり、ハローワークにロースクールに通っていることがバレた時点で、失業保険の支給は打ち切りです。

それどころか、失業保険の不正受給に問われても不思議ではありません。

失業保険の不正受給がバレた!
失業保険の不正受給がバレた!

では、これを避けてどうにかして失業保険の受給とロースクールを両立させる方法はないでしょうか?

唯一、合法的に両立させる方法が、「夜間ロースクールに通う」ことです。

昼間に授業に出ている人は失業保険の支給対象外ですが、夜間だとこの扱いがガラリと変わります。

就職活動と両立できると認められるのです。

ですので、どうしても失業保険もロースクールもあきらめたくない、という場合は受験校を選ぶ段階から、夜間校を選ぶしかありません。

夜間に授業を行っているロースクールは、筑波大学法科大学院が挙げられます。

なお、今回お話した内容はロースクールだけでなく、他の専門学校にも該当します。

 

3.再就職したら

真面目に求職活動をした甲斐もあって、めでたく再就職先が決定-

さて、多くの人は、ここでハローワークに通うのを止めてしまいます。

ハローワークは失業保険をもらうためと、求人情報の閲覧のために通っていたので、再就職先が決まった今となっては、用がないからです。

・・・と、このような行動をしてしまうと、後から大きな代償を支払わされる恐れがあります。

具体的にいうと、「失業保険の不正受給」に該当する可能性が出てくるからです。

働き始めたのに失業保険をもらう、というのは必ず発覚しますので、「黙っておいてそのまま失業保険を満額もらってしまおう」と考えるのは絶対にやめましょう。

では、再就職が決定したら何をするべきか、について見ていきましょう。

きちんと報告。
きちんと報告。

これは単純で、ハローワークに報告することです。

ハローワークに再就職を報告すると、その日で失業保険の支給が終了してしまうと思っている人がいます。

しかし、そんなことはありません。

再就職先へ入社する前日までは、失業保険の支給対象です。

ですので、不正受給になる恐れなしに、ギリギリまで失業保険をもらうことができます。

これを考えると、再就職したことをハローワークに黙っておくというのはリスクの割にメリットがないやり方であることがお分かりいただけると思います。

なお、ハローワークへの申請は3種類の書類が必要になります。

ひとつは、「採用証明書」で、「受給資格者のしおり」に収録されています。
この書類に、再就職先からの証明をもらっておきます。

残りふたつの書類は、失業中にお世話になった「受給資格者証」と「失業認定報告書」です。

これら3種類の書類をハローワークの窓口に提出すれば、晴れて手続き終了です。

ちなみに、再就職の報告をした後はその後の失業認定日に出席する義務はありません。

再就職した後に、失業認定日出席のため半休をとる・・・などといったことは不要です。

 

4.まとめ

・求職活動として認められる範囲は求人応募ばかりではない。就職セミナーへの参加も求職活動実績になるなど、一般に考えられているより幅広い。

・資格試験の勉強をしながら失業保険を受給する、というのは可能だが、専門学校に通っている場合は受給資格はない。不正受給を疑われても仕方ない行為なので厳禁。

唯一の例外は、夜間に授業が行われる専門学校を利用すること。

・再就職したら、ハローワークにきちんと報告しておいた方が無難。もう用はないと放置していると、失業保険の不正受給に該当してしまうことがある。