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■ 第65回 ボーナス90万円

今年の冬のボーナス平均は

初の90万円超えになる見込みだそうです。

 

10月24日に日本経団連が発表した、

 

「2007年年末賞与・一時金

大手企業妥結状況(加重平均)第1回集計」

 

で明らかになりました。

 

※初出時、資料へのリンクを張ってありましたが、

リンク先の資料が削除されたため、

現在はリンクを削除しています。

 

さて、これを聞いて

「どこの世界の話だよ?」

と思われる方も多いと思います。

みんなボーナス90万円もあるの?
みんなボーナス90万円もあるの?

実際、これは

従業員500名以上の企業の平均です。

 

しかも少数の高給取りが

平均値を引き上げています。

 

100名のうち、

99名がボーナス0、

1人がボーナス1億円だったら、

ボーナスの平均額は100万円になります。

 

これは極端な例ですが、

平均値というのは

実感と離れることが多いのです。

 

私見ですが、

こういった数字を発表することで、

「企業ばかり儲けて労働者に還元していない」

という批判をかわす効果があるかも知れません。

 

報道するのはマスコミですから、

経団連が

そんなことを意図しているのかどうかは

不明ですが。

 

また、

「バブル期以来の有効求人倍率」

という報道も繰り返し行われています。

就職しやすい?
就職しやすい?

ですが、

実際は8月、9月と失業率は

2ヶ月連続で上昇しています。

 

9月の完全失業率は

3%台から4%に戻りました。

 

報道を上っ面だけ追うと、

 

「こんなに好景気なのに

ボーナスがこれっぽっちなんて」

 

「好景気といわれているのに

ロクに就職先がない」

 

と、必要以上に悩むことになります。

 

ですが、表面上から受ける印象ほど、

現在の雇用状況は良いわけではありません。

(新卒だけは明らかに改善していますが)

 

報道が世の中の実態を

正確に表しているわけではありません。

 

惑わされないようにしましょう。

 

報道を鵜呑みにしているような人の意見も、

聞き流したほうが

精神衛生上よろしいと思います。


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■ 編集後記

今年の新卒の就職状況を見て、

うらやましく思う方は多いのではないでしょうか。

 

しかし、

「入社が楽になった」=「入社後も大切にされる」

わけではありません。

 

企業は、苦しくなったらリストラする

という手法を覚えてしまいましたので、

景気が悪くなったら

どういう手に出てくるかは予想がつきます。

 

いい企業に入ったからといって、

昔のような終身雇用など

期待できないということです。

 

不安定な身分なのは誰も同じ、

ということでしょうか。

リストラされた・・・
リストラされた・・・

補足

こういった報道を見て、

「ボーナスの平均が90万円?」

「俺は半分もないぞ!」

と思われた方。

 

もう少し、冷静に

報道を見るくせをつけましょう。

 

なぜかというと、

統計をとった母体の企業が、

大企業だけだからです。

 

日本の97%近くを占める

中小企業のボーナスは、

この統計には入っていません。

 

中小企業では、

相も変わらず

ボーナスなし、

という企業は数多く存在します。

 

ボーナスというのは、

会社が得た利益の社員への再分配、

という性格があります。

 

この理屈でいけば、

赤字経営の企業にお勤めであれば、

ボーナスカットでも文句はいえません。

 

まあ、多くの会社では、

赤字であってもボーナスは払います。

 

しかし、本当に経営が苦しい

状態の会社であれば、

ボーナス0でも不思議ではありません。

 

そういった会社は

世の中にゴロゴロありますし、

そういった会社に

お勤めの方も非常に多いです。

 

ですから、

「ボーナス平均額90万円」

という報道を見て、

「そんな馬鹿な!」

という感覚を抱くのは、

全く不思議なことではありません。

 

ボーナス90万円に及ばないとしても、

ご自身が並以下だと嘆く必要はありません。

 

ごくごく限られた企業に勤められている、

ごくごく限られた社員の方で、

平均をとっているだけの話なのです。